ふかしたり焼いたりするとホクホク、あるいはねっとり美味しいさつまいも。
でも、たまに「なんかシャキシャキしてる…？」と違和感を覚えたことはありませんか？
このシャキシャキ食感、実は調理法や品種、保存状態などさまざまな原因があるんです。
この記事では、さつまいもがシャキシャキする理由と、ホクホクに仕上げるためのコツをご紹介します。
さつまいもがシャキシャキになるのはなぜ？
まずは、さつまいもを加熱したときにシャキシャキとした食感になる理由について見ていきましょう。
食感の違いには、意外なポイントが関係していますよ。
食感の違いが出る主な原因とは
さつまいもを加熱してもシャキシャキした食感になるのは、デンプンが糖に変わっていないため。
さつまいもにはたっぷりデンプンが含まれていて、これが加熱によって甘み成分の「麦芽糖」に変わることでホクホク・ねっとりした食感になります。
しかし、収穫直後でまだ糖化が進んでいなかったり、加熱温度が高すぎたりすると、うまく糖に変わらずシャキシャキしたまま残ってしまうことがあるんです。
シャキシャキ＝失敗とは限らない？
じつは、さつまいもの中には「シャキシャキ系」が好きな人も少なくありません。
炒め物やきんぴらなどでは、むしろこの歯ごたえを活かした料理が人気です。
ただ、スイーツや焼き芋として食べたい場合は、やっぱりホクホク系が理想ですよね。
目的によって「正解の食感」が変わるのが、さつまいもの面白いところです。
シャキシャキになる原因と見分け方
なぜさつまいもがシャキシャキしてしまうのか、その原因を知ることで、調理前からの対策が可能になります。
品種や保存状態を知っておくことも大切ですよ。
品種による違い：ホクホク系とシャキシャキ系
さつまいもには多くの品種があり、それぞれに向いている料理や食感が異なります。
たとえば、「紅あずま」はホクホク系、「安納芋」や「紅はるか」はねっとり系として有名。
一方、「金時」や「紫芋」などは加熱してもシャキシャキ感が残りやすい傾向があります。
購入時に品種名をチェックしておくと、調理後の食感のイメージがつかみやすくなります。
収穫直後？それとも保存方法の影響？
さつまいもは、収穫直後だと糖があまり蓄えられておらず、加熱しても甘くなりにくいんです。
そのため、収穫から1〜2週間ほど置いて「追熟」させることで、デンプンが糖に変化して甘くホクホクになるのを待つ必要があります。
また、保存時に冷蔵庫に入れると低温障害を起こし、甘みが引き出されにくくなります。さつまいもは常温で風通しの良い場所に保存するのが理想です。
ホクホク・ねっとりに仕上げる調理のコツ
さつまいもを理想のホクホクやねっとりとした食感にするには、加熱の方法がとても重要です。
ここでは、そのための具体的な工夫をご紹介します。
加熱温度と時間が鍵！低温加熱のすすめ
さつまいもは、高温で一気に加熱すると糖化がうまく進まず、シャキシャキしたまま残りがち。
ホクホクに仕上げたいなら、じっくり時間をかけた「低温加熱」がおすすめです。
たとえば、オーブンで160℃前後に設定して40〜60分かけて焼くと、甘さがじわじわ引き出されてねっとり食感に近づきます。
切った後の水さらしでデンプンを逃さない工夫
切ったさつまいもを水にさらすことでアク抜きができますが、長時間さらしすぎると糖のもとになるデンプンが流れ出してしまうことも。
さらす時間は5〜10分程度を目安にし、調理前はしっかり水気をふき取ってから使いましょう。
おすすめのさつまいも品種と選び方
さつまいもは品種によって食感が大きく異なります。自分好みの仕上がりにするために、どんな品種が向いているのかチェックしてみましょう。
ホクホク系なら「紅あずま」
昔ながらのホクホク感が楽しめる「紅あずま」は、焼き芋や天ぷらにぴったりな品種です。
火を通すとパサつきすぎず、ちょうどよいホクホク加減に仕上がり、甘さもほんのりと感じられるのが特徴です。
甘さは控えめですが、自然な風味が口の中に広がり、どこか懐かしさを感じさせてくれます。
また、「紅あずま」は比較的どのスーパーでも手に入りやすく、皮が薄くて調理もしやすいという点でも家庭料理向き。
煮物にしても型崩れしにくく、スープや炊き込みご飯など和食全般に使える万能さつまいもとしても人気があります。
手軽にホクホク系を楽しみたい人にはおすすめの品種です。
ねっとり系なら「安納芋」「紅はるか」
トロッとした甘みとしっとり食感が魅力の「安納芋」や「紅はるか」は、スイートポテトや焼き芋にぴったりなねっとり系さつまいもです。
特に「安納芋」は加熱すると糖度が高くなり、まるでスイーツのような濃厚な甘さを楽しめるのが最大の魅力。焼いたときのねっとり感は、まるでクリームのようななめらかさです。
「紅はるか」は「安納芋」よりもややあっさりめですが、甘さはしっかり感じられ、しっとり感も十分。焼き芋にすると皮の中から蜜があふれるような濃厚な味わいになります。
どちらの品種も冷めても美味しいので、お弁当のおかずやスイーツの素材としてもおすすめです。
まとめ：さつまいもをホクホクに仕上げたいなら原因を知って工夫しよう！
さつまいもがシャキシャキするのは、品種・収穫時期・保存方法・加熱方法など、いくつもの要素が関係しています。
ホクホクやねっとり系に仕上げたいなら、追熟や低温加熱などひと手間かけるのがポイントです。
さつまいもは意外と奥深い野菜。ちょっとした工夫で食感も味わいも大きく変わります。
あなた好みのさつまいもを見つけて、美味しく楽しんでくださいね。
